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七浦プロジェクト
七浦プロジェクトとは・・
少子高齢化が急速に進む千倉町七浦地区において、診療所を通して、医療から見えてきた地域の課題があります。
次々と閉店してしまった商店や、そこで営まれていた人との繋がりが消えていく。年齢を重ねて、やりたくてもやれない畑や草刈り。自身の生活を維持するために、できる範囲で頑張る人々。生活のために都会へ出ないといけない働く世代や子供達。日本の各地にある様々な問題はこの七浦にも同様に存在します。七浦の生活は決して他に引けを取らない、むしろ生活の豊かさを誇ることができる地でもあります。そんな七浦の人々を元気にしたい。そのために立ち上がったのが「七浦プロジェクト」です。
この土地にあったらいいなと皆さんが思う機能、例えば近くにない整形外科や皮膚科、土地の人が通える介護施設、南房総市に今までなかった病児保育など、医療、介護サービスの充実を図る。そして、医療・介護・生活の問題をワンストップで解決できる場を作ること。これがプロジェクトの始まりです。医療、介護、病児保育については「医療法人社団 桂」が行います。
医療法人ではできない生活用品や惣菜の販売や、生活の様々な問題を支援するために「NPO法人ななうら」が立ち上がりました。地域住民の方が自ら立ち寄り、集える場の提供も施設「ななうら」が行っています。盆踊りやクリスマスパーティーなど、皆が集えるイベントの開催は、ななうら有志の集まりである「すばる会」が地域の方々と協力しながら行っています。
旧七浦小学校をななうら施設に改装することにより、同地域の方々が長年慣れ親しんだ場所へ世代を超えて集うことができることを期待しています。
七浦プロジェクトの経過
※年月をクリックすると内容が表示されます
2015年10月 旧七浦小学校への移転へ向けて
七浦診療所を開業して6年半が経ちました。訪れる患者さまも、幅広い年齢層の方、また七浦地区に限らず遠方から多くの方に来院いただいています。当初予想していた患者さまの数を超え、利用いただいている患者さまにご不便をおかけしております。またリハビリテーションなど、多機能な診療へのご要望をいただいております。当診療所の診療方針である「みなさんがずっと元気で安心してこの地で過ごしていただけるようにお手伝いできる場」を医療だけではなく、介護や保育の面へ少しずつではありますが、七浦小学校跡地へ移転し、提供できたらと思っております。
具体的に、七浦診療所として現在の内科を維持し、整形外科などの他科の診療を可能にすることや、待合室の拡大、処置室を増設することで、みなさまにより利用していただきやすい場になるよう医療の充実を図っていきたいと思っております。
また、七浦地区には介護施設が少ないため、介護相談窓口、ケアプランサービスの提供するための居宅支援事業所、在宅でも安心して療養ができるための訪問看護ステーション、リハビリをメインとした通所施設を設置することで医療と介護の連携を実現したいと思っております。
そして、病児保育所を診療所と併設することにより、小さなお子様を持つ若い世代の方が安心して働けるよう支援していけたらと思います。
地域住民の方にとって、七浦小学校は地域の中心であり、コミュニケーションの中心でもありました。
図書室を維持し、放課後に児童生徒が立ち寄れる場、また地域住民の方に会議室等を利用していただくことで、限られた利用者のみに開かれる場ではなく、みなさんがいつでも足を運べる、集える場を提供することが理想です。また、避難所としての機能を維持し、緊急時、災害対策の第一線として住民の方の安全を確保し、医療を提供できるよう努めてまいりたいと思います。医療法人社団としてそのコミュニティーを維持することを最優先し、安心できる七浦地区の生活を守りたいと考えております。
みなさまの温かいご支援のほど、よろしくお願いいたします。
2017年11月 ななうらに寄せて
七浦小学校が閉校して3年半が経ち〝七浦の中心であった学校の灯を消したくない〟〝地域の皆様が利用できる施設にしたい〟という思いから学校を利活用させていただくことになりました。地域で集う場所を生活しやすく、いろいろな利用ができる施設にと、時間がかかりましたが、やっと形にすることができました。その間、さまざまな法制度の壁があり挫折しそうになったことが何度もありました。その度に皆様の学校に寄せた思いを聞き、励まされ、何とか歩み続けられました。本当に感謝申し上げます。
「統ばる(すばる)」という言葉があります。
自ら集まる・集うという意味です。星空に輝く星の集まり・昴(SUBARU)の語源となったと聞きます。この『ななうら』が皆様にとっていつでも誰でも「統ばる(集う)」ことができる場所として輝きながら自ら成長していくことを願っております。
七浦に住んで本当に良かったと思っています。そんな思いを皆様と共に感じることが出来れば明日からの活力になります。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
皆様の健康を祈りながら。
2017年11月25日
田中かつら
2018年12月 開院10年に寄せて
2008年12月10日に七浦診療所が生まれました。
そして10年の時が経ちました。
診療所も皆様もそして院長の私も10才、歳をとりました。
お互いに姿や形は少し変わりましたが
七浦で生きることの楽しさ、豊かさは変わっていません。
10年が経ち更にその思いが大きく、深くなっています。
‘ななうら’でお会いできることの幸せを
感じているからこそです。
どうか、お互いに変わらずにこのまま生き続けましょう。
10年分幸せになっています。
その恩返しをこの診療所から皆様へ
‘ななうら’に統ばる(すばる)
笑顔で‘ななうら’でお会いしましょう。
2019年7月
七浦診療所が旧七浦小学校へ移転して2年が経過しようとしています。
移転当初はまだスタートしていなかった整形外科の診療や病児保育室の開設等を行い、七浦プロジェクトは現在も進行中です。
今後のプロジェクトについては、七浦診療所裏の建物(旧七浦小学校 特別教室棟)2階部分を21床のショートステイ施設、1階部分を通所リハビリ施設へ改修予定としています。(※介護棟とし主に介護やリハビリテーションを行う施設へと改修。)
現在のリハビリテーションセンターでは設備や広さの都合もあり、1時間リハビリをして帰る短時間リハビリを行っています。新しい介護棟には入浴用機器の導入や広い機能訓練室の他、レクルームや食堂等も設置しますので、朝来てリハビリをしてお風呂に入ってご飯を食べて帰るといった1日利用ができる通所リハビリに対応できる施設となります。
また、訪問看護ステーション開設も計画にあります。開設後は住み慣れた自宅で療養生活が送れるように、医師や他の医療専門職、ケアマネージャーなどと連携した訪問看護サービスを提供することが可能となります。患者様の療養生活をサポートするとともに、自立を目指した支援も行っていきます。
医療は生活の一部であるべきで、診療所は大げさなものではなく、皆が健康であるための情報を発信する場所と考えています。病院ほど高度医療はできないにしても、家でよりよく生きられるための情報発信の場所として、地域の人たちに利用し、活用してもらえればと思います。人が生きて行く上で、医療ができることは実はあまり多くはないですが、縁があって生活しているこの土地の方とともに、「七浦でよかった」と思える場になるようにがんばろうと思っています。